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スポンサー獲得の実践ガイド。「最初の1社」はこう見つけて、こうお願いする

スポンサー獲得の実践ガイド。「最初の1社」はこう見つけて、こうお願いする
依頼文テンプレート

前回の記事では、スポンサー(協賛)が「保護者負担を増やさない第三の財源」であること、そして企業が本当に欲しいのは寄付ではなく露出・地域貢献・つながりという“見返り”であることをお伝えしました。

前回の記事:スポンサーは「お金」だけで集まらない。地域の企業に応援されるサッカーチームが、HPでやっていること

読んでくださった方から、こんな声をいただきました。「考え方は分かった。で、実際どうやってお願いするの?」と。

たしかに、いちばん高いハードルはそこですよね。どの会社に声をかければいいのか。何て言えばいいのか。断られたら気まずくないか。この記事は、その「実際にお願いしに行く」部分だけに絞った実践編です。最初の1社が決まるまでの道のりを、順番に見ていきましょう。

スポンサー獲得は「どこに声をかけるか」で8割決まる

いきなり飛び込みで知らない会社を回る——それはプロの営業でも難しい方法です。少年団やクラブの協賛集めで成功しているチームは、例外なく「すでに接点のある会社」から始めています

まずは紙に書き出してみてください。チームの周りには、思っている以上に“候補”がいます。

  • 保護者の勤め先・自営業:チーム内でお願いしやすく、事情も分かってもらいやすい第一候補
  • 卒団生の家庭がやっている会社・お店:チームへの愛着がすでにある
  • チームがふだんお世話になっている店:スポーツ用品店、ユニフォームの注文先、打ち上げで使う飲食店
  • 練習場・グラウンドの周辺の店や医院:接骨院、歯科、コンビニ、ガソリンスタンドなど「子どもと保護者が通る場所」
  • 地元の商店街・商工会:地域貢献に前向きな会社が集まっている

コツは、「お金がありそうな会社」ではなく「チームとの接点がある会社」から並べることです。協賛は金額の大小より、「知っている相手だから応援する」で決まることが圧倒的に多い。まずは10社、リストにしてみてください。それが営業リストになります。

最初の声かけは、「お願い」から始めない

リストができたら声をかけるわけですが、ここで焦らないでください。初対面や久しぶりの相手に、いきなり「協賛してください」は重すぎます。

順番はこうです。

  • ①知ってもらう:「地域で活動しているサッカーチームです」と、まずチームの存在を伝える
  • ②見てもらう:「こんな活動をしています」とHPを見せる。試合結果や子どもたちの写真が入口になる
  • ③相談する:「実は地域の企業さんに応援をお願いしていまして、一度お話しさせてもらえませんか」

ポイントは、③でもまだ「お金をください」と言っていないことです。「応援のお願い」として話を聞いてもらう約束を取る。ここまでが最初の声かけのゴールです。

保護者の勤め先など近い関係なら、この3ステップを1回の立ち話で済ませてもかまいません。大事なのは、相手が「検討する材料」を先に渡すこと。その材料になるのが、活動の見えるHPです。声をかける前に、HPの試合結果や活動報告が最新になっているか、必ず確認しておきましょう。

そのまま使える「協賛依頼文」テンプレート

紹介や声かけの次は、正式なお願いの文書です。難しく考えなくて大丈夫。A4で1枚、伝えることは5つだけです。

○○株式会社 ○○様

突然のお手紙失礼いたします。私たちは○○市で活動する少年サッカーチーム「○○FC」です。現在、小学1年生から6年生まで○名の子どもたちが、週○回、○○グラウンドで活動しています。

このたび、子どもたちの遠征費・用具費の負担を軽くし、より良い環境で活動を続けていくため、地域の企業様に協賛のお願いをしております。いただいた協賛金は、遠征の交通費と用具の購入に充てさせていただきます。

協賛いただいた企業様は、チームのホームページ・SNSでロゴとリンク付きでご紹介するほか、プランに応じてユニフォームや横断幕への掲載もございます。詳しくは同封の資料(またはHPの協賛募集ページ)をご覧ください。

お忙しいところ恐れ入りますが、一度ご説明の機会をいただけますと幸いです。

○○FC 代表 ○○(電話・メール・HPのURL)

この文面に含まれている5つの要素——①自分たちが何者か ②なぜお願いするのか ③お金の使い道 ④企業側のメリット ⑤連絡先。この5つが揃っていれば、形式は手紙でもメールでもLINEでもかまいません。

そして「詳しくはHPをご覧ください」と書けるかどうかで、この1枚の説得力が大きく変わります。依頼文は入口、詳しい説明はHPの協賛募集ページに任せる。この分担ができていると、文書はシンプルに、説明は十分に、という理想形になります。

面談では、金額より先に「メリット」を見せる

話を聞いてもらえることになったら、いよいよ面談です。緊張しますよね。でも、話す順番さえ決めておけば大丈夫です。

  • ①チームの紹介(2分):スマホやタブレットでHPを開き、活動の様子を見せながら
  • ②お願いの背景(1分):遠征費・用具費の現実を正直に。「保護者の負担を軽くしたい」と率直に
  • ③企業側のメリット(3分):HPのスポンサー紹介ページを見せ、「御社のロゴとリンクがここに載ります」と具体的に
  • ④プランの提示(2分):ブロンズ・シルバー・ゴールドのような段階を見せ、「まずは一番小さいプランからでも」と伝える
  • ⑤答えを急がさない:「ぜひご検討ください。来週あらためてご連絡します」で締める

大事なのは③と④の順番です。金額の話は、メリットを見せた後。先に「年1万円でして」と言ってしまうと、相手は“出費の話”として聞いてしまいます。先に「ここに御社の名前が載って、地域の保護者の目に触れます」を見せれば、同じ1万円が“広告の話”に変わります。

そしてこの面談、実はHPがあるかないかで難易度がまったく違います。口で「ちゃんと活動しています」と言うより、更新されたHPを30秒見せるほうが何倍も伝わる。すでに協賛してくれている企業が1社でも載っていれば、「他社さんもやっているなら」という安心感も生まれます。

断られたときこそ、次につながる

はっきり言っておきます。断られるのが普通です。10社に声をかけて2〜3社決まれば大成功。だから、断られたときの振る舞いをあらかじめ決めておきましょう。

  • すぐ引く:「承知しました。お時間いただきありがとうございました」と気持ちよく
  • 形を変えて残す:「もしよろしければ、大会の景品やお菓子のご提供など、モノでの応援も嬉しいです」と選択肢を渡す
  • 関係は続ける:「今後もチームの活動、HPやSNSでご覧いただけたら嬉しいです」と伝えて帰る

特に2つ目の「モノ・サービスでの協賛」は覚えておいてください。現金は難しくても、自社商品の提供や店舗での割引ならOKという会社は多い。飲食店なら「卒団式の会場として使ってもらえたら」、接骨院なら「ケガのときはうちに」——これも立派な協賛で、HPで紹介する価値があります。

そして、今年断られた会社が来年協賛してくれることは、本当によくあります。条件はひとつ。チームの活動が、その後も目に入り続けること。HPとSNSが更新され続けているチームは、断った側の記憶にも「がんばってるな」と残り続けます。断られた瞬間から、次の営業は始まっているのです。

決まったら、最初の2週間でやること3つ

最初の1社が決まったら、おめでとうございます! ここからの初動が、その協賛を「1年で終わる関係」にするか「長く続く関係」にするかを分けます。決まってから2週間以内に、この3つをやってください。

  • ①お礼を形にする:お礼状かメールを送る。子どもたちからの一言や写真を添えると、喜ばれ方が段違い
  • ②HPに掲載して報告する:スポンサー紹介ページにロゴ・リンク・紹介文を載せ、「掲載しました」とURLを添えて連絡する
  • ③SNSで紹介する:「○○社さんに応援いただくことになりました!」と投稿し、企業にも共有する

ポイントは、掲載「しました」の報告までやること。企業側から「載ったかな」と確認させてしまったら、片手落ちです。掲載ページのURLを送って、「御社のお名前をこのように紹介しています」まで届けて、初めて“見返り”が実感になります。

この最初の1社の掲載実績が、そのまま2社目への営業資料になります。「すでに○○社さんに応援いただいています」と言えるチームと、実績ゼロのチームでは、次のお願いのしやすさがまるで違う。最初の1社は、金額以上の価値があるのです。

関連記事:スポンサーは「お金」だけで集まらない。地域の企業に応援されるサッカーチームが、HPでやっていること

関連記事:試合結果、HPに載せていますか? 大会レポートがチームの「財産」になる理由

まとめ:最初の1社までの道のりは、ぜんぶ準備できる

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

  • 声をかける先は「お金のありそうな会社」ではなく、すでに接点のある会社から。まず10社リストアップ
  • 最初の声かけは知ってもらう→見てもらう→相談するの3ステップ。いきなりお願いしない
  • 依頼文はA4で1枚。何者か・なぜ・使い道・メリット・連絡先の5要素。詳細はHPに任せる
  • 面談はメリットが先、金額が後。HPを見せながら話せば、口下手でも伝わる
  • 断られるのが普通。モノ・サービス協賛の選択肢を渡し、関係を切らさない
  • 決まったら2週間以内にお礼・HP掲載・SNS紹介。最初の1社が2社目への営業資料になる

こうして並べてみると、スポンサー獲得に“営業の才能”は必要ないことが分かると思います。必要なのは、順番どおりの準備と、活動が見えるHP。この2つだけです。

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